投稿日 2023.03.23
Amazon ECS vs Amazon EKS
- AWS
今回は、AWSに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
目次
はじめに
本記事では、AWSが提供するコンピューティングサービスである、Amazon ECSとAmazon EKSについて、5つの観点から詳しく解説します。
想定する読者
本記事は、AWSコンピューティングサービスを利用して、アプリケーション開発を行いたいエンジニアやエンジニア志望の方を対象としています。
Amazon ECSとは
Amazon ECSとは、AWSが開発したコンテナ管理プラットフォームです。AWS上の各サービスとの連携が容易にできるようになっています。
Amazon EKSとは
Amazon EKSとは、Kubernetesベースのコンテナ管理プラットフォームです。オープンソースのKubernetesをAWS上で利用することができます。
比較
コストパフォーマンス
- Amazon ECSは、データプレーンの利用料金分のみが課金されます。
- Amazon EKSは、EKSクラスターを立てているだけで、その時間分の料金が発生します。
これらの点を考慮すると、ECSの方が極めてコストパフォーマンスが高いでしょう。
柔軟性
- ECSは、AWSオリジナルのソフトウェアをベースに構築されているため、AWS上でしか稼働しません。
- Kubernetesをもとに開発されているクラウドサービスは、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformなどがあります。これにより、EKSは、AWS以外の様々なサービスと併用することができます。さらに、他のクラウドへの移行も簡単に行えます。
以上を踏まえると、EKSの方が柔軟性が高いといえます。
運用コスト
- Kubernetesはオープンソースで、世界中の開発者によって開発が進められているため、アップデートが3か月に1回のペースで実施されています。Kubernetesのアップデートの都度、EKSもバージョンアップしなくてはならないため、運用が非常に難しいです。
EKSと比べると、ECSの方が運用しやすいでしょう。
学習コスト
- Kubernetesの使い方を理解することは難しいと言われています。柔軟な設定が可能なKubernetesは、その分だけ選択肢が多くなり、必然的に勉強することが多くなってしまいます。さらに、Kubernetesは定期的にアップデートされるため、その都度変更の差分を学ばなくてはなりません。
学習コストはECSの方が低いです。
サービスとしての幅
- ECSはコンテナをデプロイするだけのサービスです。例えば、アプリを公開するには、別のサービスを利用する必要があります。
- EKSはコンテナをデプロイすることに加えて、ロードバランサーなど、アプリやWebサイトを公開するためのリソースを包括的に管理できるサービスです。
サービスとしての幅はEKSの方が広いといえます。
まとめ
本記事では、Amazon ECSとAmazon EKSについて3つの観点から解説しました。コストパフォーマンスの点では、データプレーンの利用料金分のみが課金されるECSが、柔軟性では、AWS以外の様々なサービスとも併用できるEKSが優れているといえます。また、運用コストの観点では、Kubernetesのアップデートに合わせてバージョンアップしなければならないEKSに比べるとECSの方が優れているでしょう。さらに、ECSの方がはるかに学習コストが低いこと、サービスの幅はEKSの方が広いことも抑えておきたいです。実際の開発ではECSの機能で十分なケースがほとんどであるので、Kubernetesを使いこなす自信がない人は、ECSを利用すると良いと思います。
語句の説明
・データプレーン: 実際のコンテナが稼働する場所のこと。Amazon ECSやAmazon EKSなどがある。
・コントロールプレーン: コンテナを管理する場所のこと。AWS FargateやAmazon EC2などがある。
・ロードバランサー: 外部からの通信を複数のサーバーに分散させる仕組みを提供する装置